経費になるものってどんなもの?
「パソコンのモニターを購入したから消耗品費に経費計上した・・・」
「取引先と焼肉を食べに行ったから交際費に経費計上した・・・」
「社内イベントでピザをとったから福利厚生費に経費計上した・・・」
などなど、会社では日々発生する様々な支出があります。
その中で、経費として計上されているもの。
「これって、本当に経費になるのか?」
そう思ったことはありませんか?
具体的には、損益計算書の販売費及び一般管理費に計上される、経費の部分。
ここに計上されるものは、多岐に渡ります。
でも、本当に経費として認めてもらえるのかな?と思ったあなたに読んでほしい、経費計上をする上で基準になる考え方について解説します。
経費と損金ついて
経費になるものってどんなものなのか。
それについて解説する前に、少しだけ前置きをします。
それは、会計と税務で費用についての考え方が違うことです。
会計は経費と呼び、税務は損金と呼び、それぞれ売上から残った儲けを計算するときに差し引くものになります。
一般的に、儲けから差し引けるかどうかの線引きは税務の方が厳しいです。
つまり、経費として会計上は計上できても、税務申告書上で税金の計算をする際には損金には入れられなかったり、損金として認められないと税務署に却下される(否認といいます)場合もあります。
税務署は適切な計算を経て正しい税額を算定する(いたずらに売上を減らさせない)ことを事業者に求めますので、基本的には損金にすることにはシビアに考えます。
結論としては、あくまで税務をベースにして、経費にできるかを考えたほうが良いということです。
そのためには、経費にできるか否か迷ったときには税法を参照していく習慣をつけると良いです。
そうすれば、仮に税務調査等で根拠を求められたときにも「税法のここを参照してこう解釈しています」と説明できます。
なので、エビデンスは常に税法をもとにすることを心がけましょう。
ちなみに、エビデンスとして最も強いのは国税庁が出している記事(タックスアンサー等)です。
経費は売上を生むための支出
「経費は売上を生むために必要な支出」である。
これが基本の考え方です。
なので逆に考えると、「その支出は売上に結びつくのか?」を基準にして考えることができます。
代表的な経費の例
- 消耗品費
事業を行う上で必要な消耗品を購入する際の支出。 - 旅費交通費
事業を行う上で必要な移動に関わる支出。 - 広告宣伝費
売上を拡大するために自社のプロダクトを宣伝する支出。 - 支払手数料
売上を拡大するためのサービスの供与を受けるための支出。 - 地代家賃
事業を行う上で拠点として必要な場所を確保するための支出。
意外と認められる経費の例
例えば、これは経費として認められないんじゃないか?とも思ってしまうようなものでも、下記のような考え方をすることで売上を上げるために必要であると考えることができます。
- 取引先と行った焼肉屋での飲食に要した支出
取引先と更なる円滑な関係性を構築し、売上を生むためであれば基本的には経費として認められます。
(但し交際費のうち飲食費用は年間800万円迄しか損金に入れられない※1等の注意事項があります) - 社員旅行に要した支出
研修がプログラムとして組み入れられている場合、その旅行は遠隔地で研修を行ったものとして経費計上が認められることがあります。
(但し金額や研修の割合などは常識の範囲を超えないことに留意が必要) - 洋服の購入に要した支出
YouTuber等のインフルエンサーが、出演する際に着用する目的で購入したものは経費として認められることがあります。
(但し金額が売上に対して常識的な範囲を超えて大きい場合や、明らかにコンテンツに占める割合が小さい場合などは否認される場合があります)
注釈
※1
国税庁:別表十五「交際費等の損金算入に関する明細書」参照。
税務上の大企業の場合は、交際費は原則損金不算入。そもそも損金に算入できません。